デコパネCH-47チヌーク
2サーボ2ESC、シンプルメカのバイコプター(ツインコプター)方式でチヌークを作ってみました。
バイコプターで縦型の物は見た事がありませんがさてどうでしょう。
飛行にはフライトコントローラー(FC、3軸ジャイロ)が必要ですが、今回は6軸制御の「Multiwii Mini Flight Controller w/FTDI Interface AEORC v0.1」(ホビキンの在庫処分時に¥1000程で購入、絶版)を使用。
このFCはMultiWiiの中でも小型軽量。
MultiWiiの設定は初めてだとかなり難解で、情報を公開して下さってる方のサイト(リンク)やベテランの方からのアドバイスによりなんとか初期設定が完了。
MultiWiiに比べるとKK2.0はGPSや高度計等の発展性が無くディスプレイの分少し重いですが、初期設定や飛行調整はかなり楽。
直視飛行で両FCの飛行安定性の差は感じられません。
実験機なので機体はデコパネと手持ちの部品で出来るだけ簡単に製作。
しかし今回リアのローターポストはEPP外板による曲面デザインを試してみました。
軽い3次曲面ですがEPPの弾力を利用して再現。
前後ローターは同一平面上で前傾角は6°。
市販のボディでちょうどいい物があれば、それを利用した方が簡単でかっこいいかもしれません。
飛行制御のキモとなるチルト機構はこんな感じ。
チルト軸はモーターユニットの重心に近い方が理想的。
そしてツインコプターの飛行制御原理はベクタースラストと同じなので、チルト軸を出来るだけ機体の重心から離すようにします。
なので重量物は出来るだけ低い位置に搭載。
それでもスケール機なのでチルト軸と重心の距離については妥協しています、オスプレイよりは良いですがさてどうでしょう。
ツインコプターは一般的にサイドバイサイド(横型)でMultiWiiの設定にもタンデム(縦型)はありませんが、単純にOpen9X送信機でエルロンとエレベーターを入れ替えて対応。
屋内テストでは問題無く浮上したので屋外テスト。
2~3m/s程の風の中で低速旋回飛行が出来ました。
予想通り向かい風や前進速度に対する縦の操縦安定性はサイドバイサイド形式よりも良好。
しかしタンデムは強い加減速や突風を受けた時の立て直しで制御の限界を超えると左右非対称の変な挙動が出るのが欠点。
まあ何せこのサイズのスケール機なので、外でこれだけ飛べばとりあえずは上出来でしょう。
おそらく耐風性はより小さなクアッドに劣りますが、シングルローター固定ピッチのEPキャリバーM24(メインローター直径500mm、、全備380g)よりは良好。
ちなみに実機チヌークは意外にもかなりの運動性能。
そういえば実機はタンデム特有の癖を抑える為に電子制御を取り入れて実用化にこぎつけた事が有名ですが、バイコプターは最初から電子制御が前提ですね。
その後室内で6軸モードを調整。
前後左右対称に4脚を大きく開いたクアッドと違い本機はキャリブレーションがしにくいですが、電源投入姿勢を決めてACCトリムを合わせてしまえばその後大きくは狂わないようです。
MultiWiiでは送信機のコマンドによりACCトリムを調整できるので便利。
調整が取れれば、室内ホバでは加速度センサーによる水平復帰制御を使った6軸モードが断然楽チン。
3軸モードは姿勢ロック制御なので特に前後に暴れ出すと止めるのが難しいですが、6軸モードでは水平に戻りたがるのでチョン打ちで安定したホバリングが出来ます。
風のある屋外ではまた違ってくると思います。
3軸モードと6軸モードの飛行の比較、6軸モードの方が安定しているのが分かります。
3軸モードは特に暴れた時の様子ですが、機体が流れてからの傾斜修正操作になるのでどうしても操舵が遅れてしまいます。
・・・といった感じ。
バッテリー変更等で重心位置が多少狂っても飛行姿勢や操縦性が変わらないのは縦型タンデム方式の美点。
クアッドよりスケール感がありフライバー式固定ピッチ機より自由に飛ばせて可変ピッチ機より手軽、これはこれで楽しい機体です。
2セル850mah搭載、飛行重量240gで飛行時間2分半。
3セル850mah搭載260gで3分半
3セル1600mah搭載320gで6分半
重くなるほど操縦安定性は低下。
同モーター、ペラ、ESCのオスプレイは3セル850mahで420g、ホバリングで2分。
モーター: TURNIGY2730(1700KV) ×2発
ペラ : ホビキン、パチGWS 7×3.5 カウンターローテーション
ESC : ホビキン15A ×2
サーボ : D65HB ×2
フライトコントローラー : 「Multiwii Mini Flight Controller w/FTDI Interface AEORC v0.1」
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